桐蔭学園高校の出前授業(2004年7月13日)

神奈川県の私立の桐蔭学園高校が総合学習で福島県を訪れ、沼尻温泉に宿泊した際に実施しました。
子供たちに、福島県の火山を中心に火山の持つ恐ろしさとすばらしさを理解してもらうことに力点を置きました。
一方的な講義では飽きてしまうので、泥流の流れる実験をしたり、
磐梯山地方の民話「足長手長」を朗読してもらったりと、受身の授業とならないよう工夫しました。

「福島県の火山」

1.ある外国の火山の噴火
2.日本の火山
3.安達太良火山
4.磐梯火山
5.火山災害
6.火山災害対策
7.火山観測と噴火予知
8.火山の恵み
9.火山との共生
10.火山の本の紹介

授業の全景風景授業の近景風景

生徒の感想

「2日目の夜、噴火記念館の佐藤副館長が講演された中に自然と人間の共生というテーマがあった。
僕は心の中にこのテーマの講演が残っていた。
次の日から自然を感じるだけでなく、感じたことから人間の生活も考えていかなければならないと思いながら
吾妻小富士を登った。
そして、自分が考えた自然と人間の共生は、火山がおとなしいときは、人間は火山から湖や山の景色をもらい、
人間からは火山を大切にするよう国立公園などに指定して日本の火山を守るようにするなど、自然と人間は
持ちつ持たれつ関係になることがこれから必要だと思う。
また、火山の近くに住んでいる人々が、火山や自然が人間とかなり近い関係にあるということがわかれば、
災害による被害が最小限に抑えられると思う。」


「火山について佐藤副館長の話を聞いたとき、さらにその怖さが増していった。
それは登山によって使者が出た話である。
一つの過ちが大きな事故を引き起こす。その強さは科学の(いや人間の)力では抑えることのできないものがある。
そんな未知のものに一生をささげた人の話を耳にしたとき、その魅力に引かれるのはなんだか分かる気がした。
最後に副館長が言った言葉がとても印象に残っている。
それは『自然と共存しなければならない。山が静かなときに山の恵みを利用し、荒れているときに、山から逃げる。
それを忘れないでほしい。』ということであった。
確かにその通りだと思う。けれども自然破壊により、そのバランスが崩れつつある今、それを見直す必要があると思う。
サマーキャンプの間にも洪水が起きている。
そのサイクルを戻すこと、自然の大切さを再確認することこそ今求められていることであり、
地球を守ることにつながるのではないかと思っている。」


「磐梯山副館長の話を聞きました。
『火山の噴火には一定の周期がある。』『火山ガスは700ppmで即死してしまう。』など鵬翔祭に使える事
ばかりだったので、とても参考になりました。総合学習に対する自分の姿勢は、とても良かった物だと思います。
しっかりパンフレットも読み、メモも取り、吾妻小富士に登ったときは石も拾ってきました。
実験のやり方も教わり、聞いてきました。
この事すべてを上手に活用し、鵬翔祭は必ず実りのあるものにしたいと思います。」


「今回のキャンプの主要目的である総合学習においては、生憎の天候でしたが、佐藤副館長や先生方の非常に
理解しやすい説明の御蔭で、裏磐梯の山々や自然を始めとする地球規模での自然の営みを理解することができました
佐藤副館長やクラフト夫妻を始めとする数多くの探求者の功績に感謝すると共に、地球の一部である人間として、
大自然を理解し、奉仕する義務を果たしてゆこうと思います。」


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磐梯山の出前授業