火山用語の解説

五十音順に解説します。新しい言葉がでれば、その都度解説を増やしていく予定です。

[ ア ]

遠望観測
定まった地点から火山を遠望し、噴煙の高さや量・色・噴出物(火山灰・噴石)・火柱
・音響などを観測するものです。山が見えない気象官署等では遠望観測装置(テレビ
カメラ)により観測しています。ちなみに、磐梯山の遠望観測装置は当館の2階に設置し
てあり、展示室でモニターを見ることができます。

[ カ ]

火砕流(かさいりゅう)
火山灰や岩塊、空気や水蒸気が一体となって急速に山体を流下する現象。
火砕流の速度は、時速数10kmから数100kmで、温度は数100度にも達し、発生後
の避難は困難で、非常に恐ろしい火山現象です。

火山ガス
火山地域ではいわゆる卵の腐ったにおいといわれる硫化水素ガスなどが、
普段から吹き出している場所が多い。3年前の安達太良山の災害が記憶に
新しいところである。

火山性地震
火山およびその付近で発生する地震を火山性地震といいます。
火山性地震は、地下のマグマの活動(上昇や噴出など)によって発生し、
また、地下の状態や発生場所、しくみによって様々な波形が観測されます。

火山性微動
地面の連続的な振動を、火山性地震と区別して火山性微動といいます。
火山性微動は、火山活動が活発化したときや火山が噴火したときに
多く観測されます。

火山泥流
岩石や土砂が水と混合して一体となって流下する現象で、時速数10kmに達し、
谷沿いに遠方まで到達する危険な火山現象です。

火山灰
火山灰は粒径が小さいほど風によって火口から遠くまで運ばれ、広域に降下・
堆積します。降灰の被害は広域かつ長期にわたることがあります。人体には
呼吸器系などの障害のほか、水質汚濁、交通機関のトラブルなど、広く社会
生活に影響します。

活火山
1.現在噴気活動が活発な火山 2.約2000年以内に噴火した火山
どちらかの条件を満たしている場合、日本では活火山といい、現在86存在する。
その中の5つは福島県にある。(磐梯山・吾妻山・安達太良山・那須連峰・ひうちヶ岳)

岩屑流(がんせつりゅう)
不安定な斜面が噴火や地震などにより、急速に滑り落ちること。多量の岩塊が
高速で移動するため、被害が大きい。1888年の磐梯山の噴火や1980年のアメリカの
セントヘレンズ山が有名である。

空振
火山活動が活発になり、山体内部のマグマ、ガスなどの物質を急激に放出する
ような活動があると、空間の急速な体積の移動により、空気中を波動が伝播する。
この気圧振動を空振という。
噴火形態の中で、とりわけ急激に大きな体積を噴出するブルカノ式、あるいはストロ
ンボリ式分かでは、空振を記録しやすい。悪天候の火山活動の監視や噴煙機構の解明
等に空振計が用いられる。

[ サ ]

常時観測対象火山
気象庁では、日本にある86の活火山の中で、活動が活発な火山20を常時観測対象火山
とし、定期的に観測し、その結果を発表している。福島県では、磐梯山・吾妻山と
安達太良山・那須連峰の4つが該当する。

水蒸気爆発
高圧の水蒸気が火山の表層部の古い岩などを吹き飛ばす噴火形式です。
磐梯山の1888年の噴火もこのタイプです。

[ タ ]

地殻変動
火山周辺の地盤が変形し、隆起や沈降となって表れるもので、火山の場合の地殻変動は、
地震の時のような急速なものではなく、長期にわたりゆっくりと動く。

[ ハ ]

ハザードマップ
起こりそうな災害の型や規模をあらかじめ予想して、影響の及ぶ範囲を地図上に示した
もので、これには火山だけでなく、津波や洪水などのマップもある。
現在、火山のハザードマップは、全国で14火山において公表されていて、
福島県では、今年度中に、磐梯山・吾妻山・安達太良山の3火山に関して、公表を
予定している。

[ マ ]

マグマ水蒸気爆発
マグマが地表付近や海底の浅いところまで上昇し、地下水や海水と接触し激しい爆発
を起こすこと。

[ ヤ ]

溶岩ドーム
粘性が極めて大きいマグマの場合には、遠くへ流れないでドーム状の丘になります。
これを溶岩ドームと言います。最近では雲仙・普賢岳が記憶に新しいところです。

溶岩流
マグマが地表を流れ下ったものを溶岩流と言います。マグマの粘性が大きいほど
遅く、また厚くなります。