1.火山

(1)地球上の火山の分布

火山に関わる現象は、地球の表面付近に存在するマグマの活動によるものなの
である。マグマとは、地下にある岩石が高温(約600〜1300度)で溶けた状態の
ものである。現在の地球上では、かなり限られた場所に集中して分布する。
これは、プレートが沈み込む境の陸側と新しくプレートが生まれるところに
生じると考えられている。また、プレート内でもホットスポットと呼ばれる
部分にも、火山が生じている。

(2)日本の火山

日本には、約250の火山があり、このうち気象庁により活火山とされているのは、
86である。気象庁の基準    1. 現在噴気活動が活発な火山
                2. 約2000年以内に噴火した火山
日本列島における火山はプレートの沈み込みにより生じるものとされる。また、
大きくは北海道から東北・中部・伊豆半島にかけての「東日本火山帯」と、九州
から琉球弧にかけての「西日本火山帯」に分けられる。

(3)火山災害の要因

地球上の火山活動による災害により、年間数百人の犠牲者がある。火山災害の
特徴と規模は、噴火の形式や大きさによる。しかし、周辺の地形や社会的要
因によっても大きく異なる。
・土石流・泥流  ・噴石・降下火山灰  ・岩屑流  ・火砕流・軽石流
・ブラスト(熱風) ・溶岩流  ・地殻変動  ・火山ガス

  

(4)火山噴火予知

火山の噴火現象を止めることは、現在の科学では不可能である。災害を防ぐため
には、事前に逃げることである。そのためには、いつどこでどんな噴火が起こるの
かを事前に予知しなければならない。火山活動は、高圧のマグマが地下から上昇し
てくることである。この時にまわりの岩石を押しのけて上昇するのであるから、周
囲に様々な影響を及ぼす。この時現れる変化を地震計や傾斜計でとらえ、その兆候
をもとにいつどのように噴火が起こるかをさぐっているのである。最近では観測網
の強化により、噴火の事前の予知もかなり高まってきている。また、火山の寿命は
数万年から数十万年と長く、噴火活動と次の噴火までの間隔が長く、人間社会のサ
イクルとずれがある。そのため、現在の火山について調査するだけでなく、過去の
火山噴火の調査も重要な課題である。

2.気象

気象とは、大気の状態及び雨・風・雷などの大気中の諸現象をさし、これを担当
する機関が気象庁である。

(1)気象庁の概要

1875(明治8)年に東京気象台として発足し、1956(昭和31)年運輸省の外局とな
る。現在、天気予報・週間天気予報・長期予報・台風、豪雨・豪雪等の注意
報・警報、津波・高潮・波浪及び洪水に関する予報・警報などを発表し、さ
らに地震情報・火山情報の提供などを行っている。
こうした各種の気象情報の提供を正確迅速に行うため、日本及び日本近海に観
測網をはりめぐらし、また静止気象衛星・スーパーコンピューターなども導入
している。

(2)気象観測

気象観測の対象となるものは、次のもので気象要素とも呼ばれる。
・気温 ・気圧 ・風 ・湿度 ・雲 ・降水 ・日射 ・視程と大気現象
観測は機械(気象測器といわれる)を用いて測定する場合と観察によって行う
場合がある。
当館では、次のものを観測しています。
・天気 ・雲量 ・風向 ・風速 ・気温 ・湿度 ・最高気温 ・最低気温
・気圧 ・降水量 ・積雪 ・新積雪 ・大気現象(雹・霰・雷・霧・霜)